同径のT管の展開
1級熱絶縁施工技能士実技試験、2級熱絶縁施工技能士実技試験に必要な実長を描くT管(チーズ)部分の展開の方法。(ラッキングチーズ展開図)
保温工事、板金工事、ラッキング工事などを行う上での基本的な事項ですので、しっかり理解を深めてもらって、ものづくりのプロとして誇りをもって仕事をしてもらえるきっかけになれば幸いです。
1級・2級熱絶縁施工技能士実技試験のT管部分のポリスチレンフォーム保温筒の切り込みと、アスファルトフェルト及び整形用原紙の正確で効率的な切り込みをするために必要な型を作ります。
実際の(現物の)保温材の円周に誤差があるため
- ケイ酸カルシウム保温筒 100AX50t
- 外径 214ミリ
で説明します。

展開方法
まず最初に【図1】のように
①.任意の直角に交差する直線を引く。
②.直径214Φ(半径107)のコンパスで①で引いた交点に円を描きます。

【図2】のように
③. ②で描いた円の円周を12等分します。
④ 100ミリ程度の余分をみて、①の横引線に垂直に交わる水平な線を引き、12等分した線の交点から④で引いた線に垂直に交わるところまで線を描きます。

各垂線と、弧までの距離を求める。【図3】
参考に計算で求める数式を記しておきます。
同径T管の寸法を求める計算式
100AX50t 外径214Φ 半径107㎜ 延長100㎜
- ①⑤ 107-sin60X107+100=114.3
- ②④ 107-sin30X107+100=153.5 同径T管なので sin30X107+100 でも良い。
- ③ =107 (同径T管なので半径と同じ値)
- 0⑥ 0+100=100
展開して求めた値と比べて、間違いないか確認するのに利用してください。

【図3】で実際に求めた値をもとに平面に書き写します。
円を12等分しているので、同じく円周も12等分します。
214ΦX3.14÷12=56㎜
半円分で対称になるため、必要な型は半周分で良いです。
アスファルトフェルト、整形原紙自体の厚みがあるので、実際の直径及び円周は大きくなる事を念頭に置いていて下さい。

枝管側の型を作った訳ですが、同径のT管の場合横向けに使うことにより母管側の型としても使うことができますので、型の製作は以上になります。

T管母管側の展開方法
型の製作はしませんが、母管側の展開の説明をしておきます。
【図6ー1】の 弧の長さ 0⌒①、0⌒②、0⌒③、0⌒④、0⌒⑤、0⌒⑥ を測り
【図6-1】 の①②③④⑤⑥へ写し、それぞれの点をつなげる形になります。
図をよく見るとわかってくるのですが、1スパンの弧の長さは214Φの円周の12等分なので、≒ 56 になります。
- 0⌒①0⌒⑤ = 56
- 0⌒②0⌒④ = 56X2=112
- 0⌒③ = 56X3=168(円周の1/4)
ということになります。
以上でT管(同径)の展開説明を終わります。
試験的に下の方にコメント欄を有効にしてあります。
今後の参考にもなりますので、何かコメントを頂ければ幸いです。
スパムなどの要因でコメント欄を無効にする場合がありますので、ご了承ください。